
Rebbur エッグホワイト
(卵の殻+天然ゴム)
卵の殻は食品メーカーの製造工程で廃棄されるものを使用。卵の殻は白線の材料や土壌改良材などに活用されますが、それでも再利用しきれない殻が産業廃棄物になります。粗く粉砕された殻と天然ゴムを混ぜ合わせると、表面に独特な質感が現れます。
開発ストーリー
創業60年を超える江北ゴムでは、これまでも独自プロジェクトとしてさまざまな素材と天然ゴムの混合を試みてきました。粉末にした卵の殻を天然ゴムに混ぜると、自然な白さが表現できるのは実証済み。このような実験精神の背後には、「ゴムといえば黒」といった先入観を変えたいという思いがあります。

卵を専門とする食品メーカーの三州食品(愛知県小牧市)は、当社のお客様です。ネット経由で「食品衛生法の基準に適合した天然ゴムのチューブを造ってほしい」という依頼をいただき、工場の視察に招かれました。そのときに月間平均10トンほどの卵の殻が産業廃棄物として捨てられていることを知り、ご提供をお願いしました。

三州食品から届いたのは、卵の形がまだ残っている大量の殻。粉末の殻は実験済みでしたが、あえて粗いままの殻を天然ゴムと混合してみました。すると面白い質感が表面に浮かび上がったので、この独特な風合いを生かしていくことに決めました。こころよく素材提供に応じてくださった三州食品・小牧工場の末長さんからは、完成品について次のようなコメントをいただいています。
「卵の殻を約70%も混合したと聞いていたので、まずは質感の滑らかさに驚きました。殻の割合を増やすと表面がボロボロになりそうですが、天然ゴムの特性でスムーズに練り上がっています。そもそも卵は捨てるところがない素材。このような有効活用によって、産業廃棄物が減らせるのは本当にありがたいですね」
本来の天然ゴムは輪ゴムのような飴色ですが、卵の殻を入れることで自然な白さが得られます。いわゆる「赤玉」の殻も入っていますが、全体として白が多いので影響はほとんどありません。この白さは、他の色と混ぜて彩度を高める用途にも使えます。ロットごとに少しだけ色味が変わるのも、天然素材ならではの面白さと考えています。


素材協力:三州食品株式会社
日本の食文化に欠かせない「卵」を専門とし、育成から養鶏や加工に至るまでの一貫生産体制(Farm to Table)で事業を展開する食品メーカー。日本最大規模の高速割卵機やゆで卵の加工機械なども備え、品質および衛生の管理を徹底させた生産体制で日本の豊かな食生活に貢献しています。

フェアトレードの天然ゴムを使用
「強制労働が行われていないこと」「児童労働が行われていないこと」「直接、間接を問わず、すべての生産者に公正な対価が支払われていること」「生産者・労働者の安全で健康的な労働条件が守られていること」を確認しているフェアトレードの天然ゴムを使用しています。
